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【琉球大学法科大学院修了生の司法試験受験生の皆様へ 第13回】

【琉球大学法科大学院修了生の司法試験受験生の皆様へ 第13回】

 司法試験を明後日に控え、皆さんへのメッセージも最終回となりました。私達琉球大学法科大学院教員一同、心から皆さんのことを応援しています。最後は清水研究科長からの温かいメッセージです。

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受験される方、されない方へ

清水 一成

 ついに司法試験、予備試験が実施されるようです。正直な話、法務省は今回の試験を再び延期するのではないかと私は考えていましたが、どうやらそうはできない事情があったのでしょう。この日に向けて励んできた皆さんは、今は緊張の中にも強い闘志を燃やしておられることでしょう。悔いのないように、頑張ってください。そして無事に帰ってきてください。

 それにしても、今年は何という過酷な条件のもとで試験が行われるのでしょうか。台風が沖縄・九州をかすめるように北上する中、感染の危険を冒して本土旅行をし、どんな人が集まっているのかわからない会場に数日間通って長時間缶詰にされる。こんな危険をなぜ強いられなければならいのか、受験生でない私でもやりきれなさを感じます。しかも、危険だから、家族を守りたいからと会場に行かなければ受験機会を一回棒に振ってしまうというので、世間の目を気にしながら仕方なく行く人、あるいは逆に行かない選択をして法曹になる夢を諦めた人もいるのかもしれません。どの人も、今回は苦渋の選択を迫られたことでしょう。優秀な主催者の方々であれば、もうちょっと何とか工夫できなかったのか、地方のことを考えてもらえなかったのかというのが、皆さんを送り出す私の偽らざる思いです。今回のコロナが過ぎても、数年後からは台風が頻繁に来る夏に司法試験時期が移ることがほぼ決まっています。琉大法科大学院は、我々の自由と安全を守るため、これからは沖縄会場の誘致をもっと声高に叫ばなければならないと強く思った次第です。

 しかしもう、現実には明後日に試験が迫っています。そうであれば、そしてこの試験と格闘することを決意してリングに上がったからには、勝利を目指して無心で臨んで下さい。これまでの他の先生方が言われているように、学ぶべきことはちゃんと学んできたのですから、堂々としていればよろしい。首を捻るような問題は誰もが首を捻っているので、むしろチャンスだと思いましょう。本当にどうしてもお手上げの問題にぶつかったら、まずは笑ってみましょう。笑うと物事が客観視できて、視野が広くなり活路が開けるといいます。今回の異常な緊張感をほどよく味方にして、普段は自分でも気がつかなかった隠れた実力までが発揮されることを願っています。

 今回、家族等のことを優先して本土行きを諦めた人がいたのなら、その決定を悔いたり恥じたりしないで下さい。それは、この状況下で立派な選択だったと私は思います。人生はいろいろあります。何がどう幸いするか分かりません。どうぞ長いスパンで物事を考えて、また胸を張って歩き始めて下さい。

 最後に、これはお願いするのが辛いことですが、本土に行って試験を受けてきた方は、どうか自宅に戻ったらしばらくの間、外出を自粛し、健康状態の変化に気をつけて下さい。私たち教員も、皆さんを囲んでねぎらいたい気持ちで一杯ですが、それはもう少し先のお楽しみということにしましょう。

 それでは、試験に臨む方は、しっかりやってきてください。